講演記録2011.03講演記録

IFC社長・川田ゆかり講演報告:日本生殖再生医学会第6回学術集会招聘講演

御報告が大変遅れまして恐縮ですが、今年2011年3月13日(日)に東京都千代田区で開催されました、日本生殖再生医学会 第6回学術集会へ招聘していただき、ランチョンセミナ−の演者として参加させていただきました。

この度の講演は、以前より何かと広い視野をもってお声をかけてくださっておりました、京都大学名誉教授であり日本生殖再生医学アカデミア理事長の森  崇英先生、そしてもちろん、この第6回学術集会の会長を勤められました、自治医科大学教授の柴原浩章先生のお口添えで可能となったものです。

両先生はじめ、私の講演にあたり、熱心な御指導を賜りました、兵庫医科大学 名誉教授の香山 浩二先生にこの場をかりまして、厚く御礼を申し上げます。

今回の私の講演は、 『生殖医療 日本人渡米治療の現場より』と題し、この学会の研究テーマである、『絶対不妊の救済技術』について広義にとらえ、現在米国サンフランシスコ市において、パシフィック生殖医療センターと共に弊社IFCが、日本人患者様のために行なっている生殖医療プログラムの現場の状況、プログラムの内容等を御報告申し上げました。

絶対不妊と申しますと、卵子、子宮、あるいは精子が無い、という状況を指すことになりますが、卵子、子宮、あるいは精子があるにも関わらず、その状態により、妊娠及び挙児に向けての可能性が低い場合、あるいは生殖器には問題はないものの、遺伝病や染色体異常が明確であり、次世代にその病気を持つことの悩みを受け継がせたくないと考える患者様が持つ選択肢についてもご報告させていただきました。

従いまして、卵子提供プログラム、代理出産プログラム、着床前遺伝子診断(PGD・PGS)プログラム、高度男性不妊治療についても言及させていただき、挙児に向けての選択肢を広げることの意義について、また、それらのプログラムの技術が一人歩きすることなく、医療としての立ち位置を保ちながら、進められるプログラムの設定についてお話させていただいた次第です。

この開催日をご覧になって、お気づきの方もいらっしゃったかと存じますが、あの東日本大震災の二日後に予定通りの開催となりました。会場には、都内でも余震が続く中、多くの熱心な先生や研究者の方々がお集まりくださいました。関東地方で多くの患者様がいつもお世話になっております、 さいたま市の柏崎産婦人科の生殖医療専門医・柏崎祐士先生もわざわざお越しくださいましたことは大変光栄でございました。厚く御礼申し上げます。

演者の先生の中には、東北大学の先生もいらっしゃり、御出張のため東京におられる間に大震災が起こり、御家族が避難所におられることはおわかりになったものの、直接連絡を取ることもできず、また、交通網が遮断されたままで御家族のもとへお帰りになることもできないという極めて御心配な状況で、お越しになられておられた先生もおられ、そのお言葉には、本当に胸が痛みました。その後の御家族様の安全と、東北地方の一日も早い復興を、改めて心よりお祈りいたします次第です。

講演中にも、非常警報が鳴ったり、余震があったり、という一日でしたが、無事学会は終了となりました。
講演を無事終了させていただき、同行いたしました、サンフランシスコ本社のプログラム統括マネージャー、大久保真希子と共に、サンフランシスコに戻ってこられましたのも、関係者の方々の御厚情があってのことと深謝申し上げます。
開催者の諸先生方、そして関係者の方々に心より「お疲れ様でございました」と改めて申し上げたい気持ちでいっぱいです。

学会サイトについては、こちらからご覧ください:
http://www.jsrr.org/syukai/index.html

以上、大変遅くなりましたが、講演報告とさせていただきます。

IFC代表 川田ゆかり

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