45歳の決断:自己卵子かドナー卵子か?
米国では、基本的に全米のクリニックにおいて、女性の満45歳のお誕生日にて、その女性の自己卵子による体外受精治療に終止符を打っています。
それはどうしてでしょうか?
全米で毎年集計されている統計によると、満45歳の女性が体外受精に挑戦した場合、妊娠率はおよそ4%未満、しかし、せっかくの妊娠成立があったとしても、残念ながら初期流産に終わってしまう確立が極めて極めて高い、ということがわかっています。
つまり、厳しい現実として、満45歳の女性が、体外受精治療の結果として、最終的に健康な赤ちゃんを胸に抱く、という可能性は限りなくゼロ%に近い、ということがわかっているからなのです。
もちろん個人差はありますから、稀に45歳を超えてからの自己卵子の採卵で出産に至った、というケースをニュースで聞くことはあります。しかし、それはまるで宝くじの一等賞に当たるよりも確率が低いことなのかもしれないのです。
女性が年齢を重ねるごとに、その女性がどんなに若々しく健康であったとしても、理不尽なことに、卵子だけは年とともに確実に老化していくことがわかっています。
女性が40代に入ると、卵子が採取できても、受精卵が得られても、その受精卵が見かけがどんなに美しい胚盤胞だったとしても、加齢が原因で卵子の老化が益々進み、満45歳のころになると、卵子の老化が原因で受精卵に染色体異常が発生する確率が極めて高くなってしまいます。
染色体異常が発生すると・・・得られた受精卵を移植しても着床しない、せっかく着床したのに初期流産に終わってしまう、などという辛い展開になる確率が圧倒的に高くなってしまうのです。
卵子提供プログラムの場合、染色体異常を調べる着床前診断(CCS)を同時実施した場合、たった一個の胚盤胞を移植しただけで、およそ70%の成功率、そして限りなく低い流産率のレベルに到達しています。
満45歳の自己卵子の場合、4%の妊娠率と、ゼロに近くなってしまう出産率とを比べると、数値だけの上ではこんなに大きな差があります。
しかし、自己卵子をあきらめる、ということは本当に本当に、辛いこと。単純に成功率だけで卵子提供を決められるものではありません。だから、いつまで自己卵子で治療を続けるか、という決断が難しいのですね。
ただやはり、卵子提供プログラムに進んだとしても、50歳以上になると同じ若い卵子による受精卵でも、40代で卵子提供を受ける方に比べて妊娠率は若干低くなっていきます。
そんなことも考え合わせて、やはり、満何歳まで自己卵子治療に挑戦したらやめよう、と年齢を区切って自分なりの「終止符を打つ日」を決めてがんばっておられる方も多くいらっしゃいます。
IFC卵子提供プログラムに参加されたほかの女性たちがどんな思いで、そしてどんな形で進まれたか、など、弊社IFC東京オフィスにおけるご面談の際などにもお話できます。(もちろん個人を特定できるような形では一切お話できませんので、御了承ください。)
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