高度男性不妊治療プログラム(自己精子)

着床前全染色体診断(CCS)同時実施のメリット

どうして今、弊社IFC生殖医療プログラムに進まれた日本人患者様の100%が「着床前全染色体診断(CCS)」の同時実施を選択されているのでしょう?

その答えは明白です。

日本ではまだ自由に受けられないこの最先端技術ですが、数々の大きなメリットがあることを日本人患者様は認識されておられるからです。

胚移植しても着床しない、あるいは流産となる主な原因は、受精卵の染色体異常であることがわかっています。CCS実施により、染色体異常(異数性)のない受精卵のみを予め選別して移植することで、妊娠率が高まり、流産の回避も最大限可能となり、結果、ダウン症などに代表される染色体異常のない赤ちゃんの妊娠につながり、女性の心身への負担を軽減するという極めて画期的な手段がこのCCSなのです。

CCS同時実施のメリット

  1. 高い妊娠率
  2. 流産回避
  3. 染色体異常胎児妊娠の回避
  4. 男女産み分け可
  5. 心身の負担と余分な治療費発生の回避

高い妊娠率

1個の染色体正常胚盤胞移植で1回につき70-75%の妊娠率

CCS実施により、妊娠の可能性があると診断された受精卵のみを移植するわけですから、一回の胚移植ごとに高い妊娠成功率が現実のものとなります。

2014-2015年度のパシフィック生殖医療センターの統計によると、CCS実施後、染色体正常な受精卵が得られさえすれば、年齢層により若干の違いはあるものの、子宮に問題がなければ、全年齢層で、一回の胚移植につきおよそ67-75%という驚異的に高い成功率が挙げられています。

多胎妊娠のリスクの回避:

たった1個の移植でこれだけ高い妊娠成功率が期待できるので、従来のように、高い成功率を希望するあまり、やみくもに多くの受精卵を移植する必要もなくなります。これは、複数の受精卵を同時に移植した結果多胎妊娠となってしまい、早産・未熟児出産で引き起こされる出生児への身体的リスクを回避できることも意味しています。

女性の年齢との関係:

高齢妊娠を試みる場合、得られた受精卵のうち、染色体異常があるものの比率が加齢と共に高くなっていきますから、CCS実施により、染色体正常な受精卵を選んでから胚移植することが益々重要な役割を果たします。

流産回避

流産の主な原因は、受精卵の染色体異常であるとされているため、良い結果をもたらさないことがわかっている受精卵を移植しないことそのものが、流産を最大限回避することにつながります。

流産を繰り返した場合、精神的な辛さの他、流産処置により子宮内膜に何らかの変化を来たし、その後の妊娠に向けて悪影響が出るリスクがありますが、CCS実施によりそのようなリスクを回避します。

従って、CCSは、治療を受ける女性の心身の負担を軽減し、「本当に赤ちゃんを授かる」までの道のりを短くする試みのための重要な手段となっています。

染色体異常胎児妊娠の回避

CCSは、ダウン症などに代表される染色体異常のある胎児の妊娠を避け、健康な赤ちゃんを授かるための重要な役割を果たします。実際に赤ちゃんの命を宿してから、羊水検査などの出生前診断の結果、妊娠継続するか否かの決断と直面するのは、人間として想像を絶する苦しみとなります。CCSを実施することで、そのような苦悩を回避します。

ダウン症などに代表される染色体異常は、加齢と共に発生率が高くなっていきます。そのため、高齢妊娠を試みる際には、CCS実施が、その後の治療方針を示唆するような益々有意義な情報をもたらします。

男女産み分け可

受精卵の性染色体を含むすべての染色体について異常を調べるため、同時に個々の受精卵の性別も報告されてきます。従って、染色体正常の結果が出た受精卵の中で、希望する性別の受精卵を選んで移植することが可能です。特に高齢出産のケースなどにおいて、ファミリーバランシングの考慮をするときなどに有効な情報となります。

*逆に、赤ちゃんの性別は、お誕生までのお楽しみにとっておかれたい患者様は、CCSラボラトリーに予め、性別開示はせず、単に性染色体が正常かどうかだけの情報開示をするように依頼しておくことができますのでご安心ください。

心身の負担と余分な治療費発生の回避

最初から着床しない、あるいは流産の主な原因となることがわかっている染色体異常のある受精卵を移植しないことで、実際に赤ちゃんが授かるまでの胚移植回数を減らすことにつながります。

確かに、CCSでは、受精卵診断の費用が発生します。しかし、その費用を上回るメリットがあると、現在CCSを選択している日本人患者様は考えています。治療を何度も繰り返すのは、精神的にも肉体的にも大変に辛い上、毎回の治療費や渡航費もかさんでしまいます。最初から良い結果にならないとわかっている受精卵をCCSによって選別してしまい、そのような受精卵を移植しないことで、辛くて無駄な治療を受ける必要がなくなります。

女性の年齢との関係:

不妊治療は時間との戦い、と言われる中、高齢になってから治療を始める女性が多いのも事実です。高齢妊娠を試みる場合、得られた受精卵のうち、染色体異常があるものの比率が加齢と共に高くなっていきますから、CCS実施により、染色体正常な受精卵を選んでから胚移植することが益々重要な役割を果たします。

年齢別の統計によると、32歳未満の女性の卵子による受精卵は、一回の採卵サイクルで得られた受精卵総数のうち、およそ67%が染色体正常(20代の卵子ドナーの卵子の場合はおよそ75%が正常)であり、35歳を越える頃にはそれが50%となり、40歳頃には33%、そして45歳頃には、受精卵が得られてもほぼ全部に染色体異常が見られるという結果が報告されています。

従って、染色体異常の無い受精卵が得られさえすれば極めて高い妊娠成功率が期待できる半面、加齢と共に、そもそも染色体異常の無い受精卵が得られる確率が低くなってしまう、という事実と直面することになります。

つまり、CCSを実施する場合も、少しでも年齢(卵巣年齢)が若いうちに実施できれば、更に妊娠への可能性が高まる要因となります。

着床前診断プログラムにおける採卵時の年齢制限:

採卵する女性が満45歳の誕生日を迎える頃には、卵子が採取できても、受精卵が得られても、卵子の老化が原因で染色体異常のある受精卵しか得られないという結果がほとんどとなってしまいます。また、一般的に40歳を越えると採取できる卵子の数が少なくなることもあり、着床前診断の適応となり得るほど卵子の数が得られないことが多くなっていきます。従って、米国では女性の満45歳の誕生日を迎えた頃に自己卵子による治療を終了させることが一般的となっています。

そのため、自己卵子による着床前全染色体診断プログラムでは、採卵する女性の満42歳のお誕生日までにプログラムへのお申込をお願いしております。これは、その後治療と向き合う充分な時間を確保するためです。初回検診の際に、担当医の診断により、個々の可能性について所見を受けていただきます。どうぞ諦めずに、健康な赤ちゃんを授かるため、この現実的な可能性に挑戦されてみてください。

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の場合:

PCOSの場合、一回の排卵誘発で多数の卵子が得られるのに、その多くが未成熟卵だったり、得られた受精卵のうち染色体異常の比率が高くなりがちなことがわかっています。つまり、PCOSの場合、受精卵が染色体正常であることを先に見極めてから移植することが、特に重要となり、時間との戦いの中で、心身への負担の回避にもつながります。

【※成功率についてのご注意】

弊社サイトで発表している成功率は、すべてASRM(米国生殖医療学会)の指針に基づいた、正式な算出方法・母集団の取り方(グループの定義と指定の期間等)によるものです。指針に基づかない算出方法での成功率をウェブ上で発表している団体もあり、また、成功率を高く見せるために複数個の受精卵を同時に移植しての数値が表示されていることもありますので、成功率を比較する時は、どうぞご注意ください。

更に、成功率90%という数値を掲げているところもあるようですが、学会公認算出法により公式発表されている全米各施設の成功率の中で、「一回の胚移植に付き1個移植した場合の成功率」が90%という数値は存在しませんので、併せてご注意ください。