関東甲信越地方のN様より
結婚して6年。ついに私たちにも天使が舞い降りてきました。かわいい、かわいい、赤ちゃんです。今、私たち夫婦は、この上なく幸せな日々を送っています。
こんな素晴らしい日が訪れるまで、私たちはとても辛い思いをしてきました。とはいっても、私たちは不妊治療をしていたわけではありません。私は結婚し、すぐに妊娠。でも残念ながら流産してしまいました。そして、さらなる不幸が私たち夫婦を。流産から数ヶ月後、「そろそろ赤ちゃん作ってもいいかな?」なんて思いながら産婦人科へ行くと、卵巣がはれているとのこと。すぐに大きな病院を紹介されました。大きな病院での検査では、部長先生が「年齢から考えても悪いものじゃないでしょう。まだ若いんだから。もし悪いものだったら、全てとっちゃいましょう。」とても簡単に言われました。
女の人にとって全摘出ということがどれほど辛いことなのかわかってんのかな?と思いましたが、その時の私は、まさか自分が悪性の腫瘍を持っているなんて思いもしなかったのです。卵巣は子宮と違い、お腹を開いてみないと悪性か良性かわからないそうです。それで、どっちにしても手術をすることになったのですが、"年齢が若いから大丈夫"というただそれだけで、入院・手術はすぐにしてもらえませんでした。
病院から電話がかかってきたのはそれから数ヶ月後。手術しましたが運悪く、私の卵巣はかなり悪性度の高い腫瘍に冒されていました。いわゆる卵巣ガンです。
私は、手術前に、主人に「もし、万が一悪性であっても、妊娠できるように残せるところは残してもらって!あとの治療はがんばるから。」と話していました。だから手術中に主人が医師に呼ばれて、全摘出することをすすめられた時、主人は私の意思を医師に伝えてくれたそうです。
でも、結局、「全摘出しないと命の保証はない」ということで、主人は私の命を選んでくれました。それで、私は一度に子宮と卵巣を失ってしまいました。
何度死のうと思ったことか・・・でも私の命を救おうとしてくれた主人に申し訳ないと思いました。だから私にできることは、離婚だと考えました。それが主人のためだと思いました。でも主人に怒鳴られました。
「おまえがいなかったら意味がない。赤ちゃんを産むために、おまえと結婚したんじゃない。」主人のその一言で私は救われました。
「そうか、二人の生活を満喫するのも悪くない。」そう自分に言い聞かせてそれから数年、私たち夫婦は、海外旅行に行ったり、二人の生活を楽しく過ごしていました。でも正直言うと、私はその間もずっと赤ちゃんはあきらめきれませんでした。それで、一人でこっそりインターネットを使い、それとなく耳にしたことのあった「代理出産」と「卵子提供」ということを調べ始めていました。(私には両方必要ですから)そして、すてきな川田さんと出会ったのです。
今思い返すと、川田さんには本当に申し訳ないほどメールを通じて毎日のように相談にのってもらいました。それでも、私の心を癒してくれる親切なお答え・お返事に感激し、私は自分の夢をこのIFCに託そうと決心しました。
主人も少しは代理出産のことを考えていたようで、賛成してくれました。両家の親に相談する時が一番勇気がいりましたが、大賛成して、喜んでくれました。また、私は仕事をしているものですから、自分の職場の上司になんて言おうか・・・これもとても悩みました。でも、正直に話そうと決意し、上司に相談。とても応援してくれ、親身になってくれ、本当に助かりました。私の友達もみんな応援してくれました。「育ての親が肝心。気にせずがんばれ!」と私の背中を後押ししてくれました。
そうして、私たちにも渡米の時がやってきて・・・すばらしい代理母の方にも巡り会え、2回目にうまく着床しました。そして何と、出産予定日が流産した子と全く同じだったのです。生まれ変わってくるんだなと思いました。
ただ、その子は、遺伝的には主人の子であっても、私の子ではありません。でも私は全くそんなことは気になりません。私たち夫婦が欲しい…とこんなにも願って生まれてくる子ですから、私たちの子なのです。
また、代理母の方が妊娠中は、私も週数に合わせて自分のお腹を大きくしていきました。私の腹帯の中にはタオルがいっぱい!でも、本当に赤ちゃんがここにいるような気がしました。
そうすることで私にとっては貴重な体験をしたように思います。スーパーへ買い物に出かければ、レジを打つ店員さんが買い物かごを台まで運んでくれたり…、職場でも(上司以外は、本当に妊娠していると思っていたので)周りの人に気遣ってもらったり…、本当に妊娠していないけど、そうして助けてもらうことを気にして引け目を感じる必要はないと上司が言ってくれました。
私は、こうした経験のもと、今までは妊婦さんに対してはうらやましいという目でしか見られなかったのですが、これからは違う目で見ることができそうです。
そして、いよいよ出産。病院においても、アメリカ滞在中も、川田さんを初め、スタッフの親切さと適切な素早い対応には頭が上がりません。おかげで、快適に過ごすことができました。
今、私の横で、赤ちゃんはすやすや眠っています。本当に私たちの天使ちゃんです。費用の面や渡米に向けての日程の面など、いろいろ大変なこともありましたが、頑張ってきて本当によかった。アメリカを発つ最後の日、空港まで送ってもらっている車の中で、私は涙を抑えるのが精一杯。「この子を手にするまで、何度もこの地をふんだなあ・・・」とかいろいろ考えていると。出産は感動です。子育ても素晴らしい日々の連続です。
わたしたちにこんな幸せをもたらしてくれた卵子提供者、代理母の方、そして川田さん、スタッフの皆様、本当にありがとうございました。この感動をいつまでも・・・