代理出産体験談2009.02体験談

代理出産体験者の方からのお便り:代理母さん家族と再会した思い出の夏


【プライバシーをお守りするため、文中の代理母さんのお名前は仮名とさせていただき、州名も変更させていただいております。】

IFCの皆様、大変ご無沙汰いたしております。
皆様、お元気でお過ごしでいらっしゃいますでしょうか?
子供の写真の入った年賀状、毎年喜んで見ていただいて本当に有難うございます。

日々の忙しさに流され、きちんとしたお手紙を書く時間が取れないでおりましたが、是非お伝えしたいことがあり、メールさせていただきます。

我が家の一人娘は、お蔭様で元気なおてんば娘に育っており、この子がひとりいるだけで、ずいぶんと騒がしい毎日です。
あっという間に、小学校も高学年になろうとしており、子供が生まれてからの時間が経つことの速さに驚かされております。

小学生の間だけでも、のびのびと育てたいと思っておりましたが、このご時世、将来のことを考えると、やはり親として焦ってまいりまして(笑)、一応塾通いなどもさせることにしてしまいました!
「教育ママ」にだけはなりたくない、と思っていたのに、中学受験などを考えている自分が怖くなっております!

さて、小学校高学年になったら夏休みも塾通いなどで、なかなかチャンスが取れないかも、と思い、主人もリフレッシュ休暇が取れたこともあり、昨年の夏、家族三人で、代理母さん一家を訪ねて参りました。
本当は、IFCさんのところにも立ち寄りたかったのですが、代理母さん一家がフロリダ州に引っ越してしまっていたので、少々方向違いだったため、どうぞお許しください。
大きくなった娘の姿を、是非お世話になったIFCの皆さんとハーバート先生にもお見せしたかったのですが・・・

代理母のティファニーさんとは、ずっとEメールで写真を送ったり、毎年お誕生日とクリスマスにはプレゼントを交換して参りましたが、いつも「新しい家に遊びに来て」と言ってくださっており、いつか、いつか、と思っておりました。

ティファニーさんは、引っ越し先のフロリダがとってもよいところだからとおっしゃるので、カリフォルニアとはまた違うアメリカを見てみたい、という好奇心もありました。
もちろん・・・物心ついてから、電話でしか声を聞いたことのない代理母さんに、娘を会わせたい、私達も大きく元気に育った娘を代理母さんに見てもらって、もう一度直接感謝の気持ちを伝えたい、それが一番の目的でしたが。

そして待ちに待った渡米。日程を合わせるために、子供は学校を休ませることになってしまいましたが、主人も、こういうことにリフレッシュ休暇が使えて本当によかったと言ってくれていましたので、決めたのです。
カリフォルニアに行ったときよりずっと遠いところにあるので、飛行機はちょっと疲れてしまいましたが、ティファニーさんに会える、という気持ちで、わくわくしながら空港に降り立ちました。

ティファニーさんが両腕を広げて待っていてくれました。ティファニーさんの子供たちも「ウェルカム」と自分たちで書いた大きなカードををもって出迎えてくれました。
順番にハグハグしながら、練習してきた英語の挨拶の言葉は全然出てこなくて、ただただ涙が流れました。
ティファニーさんも、娘と私を一緒に抱きしめ、ポロポロ涙をこぼしていました。
夫と、ティファニーさんのご主人も、泣いていました。
私達の大切な娘を妊娠し、そしてこの世に迎え入れるという私達にとっての人生最大のプレゼントをしてくれた彼女と再会した感激とあの時のいろいろな思い出が蘇ってきて、私はまた、涙。涙。

ティファニーさんの家は、郊外にあって、日本では考えられないような広さの一軒屋。フロントヤードと呼ばれる玄関前の庭と、バックヤードと呼ばれる広い庭があって、庭の緑の芝生の上を、ペットの犬が走り回っていました。

それからは、街の観光をしたり、ちょうど独立記念日の頃に行ったので、ティファニーさんのご主人もお休みを続けてとってくださっていました。

独立記念日は花火大会へ皆で行きました。
まずは、公園で屋外コンサートを見たり、露店をひやかしたり、日本のお祭りとちょっと似ているな、と思いました。
娘は、ティファニーさんの子供たちと、日本のかき氷のような食べ物をみつけたり、日本ではみかけない変な形のおやつを食べたりと、楽しそうにしてました。
ボールを投げて命中すると、いすに座っている人を水の中に落とせるゲームとか、本当にアメリカらしいおもしろいイベントなどもありました。

楽しかった旅行も終わりとなりティファニーさんに今度は日本へ来てくださいね、でもうちはとっても狭いからうちには泊まっていただくスペースはないんだけど、一緒に旅行しましょう、などと何とか伝えて再会を約束し、日本への長い飛行機での帰途につきました。

心地よい疲れと、大切な人と素晴らしい時間を過ごせたという満足感で、日焼けした私達三人はみんな笑顔でした。
何だか、当たり前の友達一家との旅行のような感じで、「では、改めて代理出産のことのお礼を申し上げます」といったような正式な感じのことをしたわけではなく、娘とティファニーさんと交えて、代理出産といった言葉をつかった会話をしたわけでもありませんでしたが、私達の感謝の気持ちは伝わったのではないかと思います。
あんな風に自然に会えることができて本当によかったなと思いました。

代理出産などということは、内容を詳しく知る前は、何だかとてつもないこと、と思って、ただ自分の人生に絶望し、夫への申し訳なさを感じ、幸せなんか自分にはありえない、と思っていたのに。
今、こうして、普通の人が普通に子供を授かって感じるであろう幸せを、自分も夫も感じられること、そしてその幸せを一緒に分かち合える代理母さんという私達の「親戚」のようなもう一つの家族がアメリカにいること、すべて代理出産を経てきたから私達が感じることのできる幸せだと思っています。

大変長くなってしまいましたが、昨年の夏の思い出、どうしてもお伝えしたかったのです。
昨年の夏の写真お送りしましたのでご覧いただければ嬉しいです。
お手数ではなかったら、ハーバート先生にもお見せしていただけませんか?

日本はインフルエンザが猛威をふるっていますが、そちらはどうですか?
サンフランシスコでもまだ暖かくはない季節だと思いますので、どうぞお身体にお気をつけになって私達のような夫婦を幸せにするお仕事、続けられてください。
本当に有難うございました、改めてお礼申し上げます。