画期的展開! エンブリオ・グルー(受精卵接着剤)
「受精卵がこのままちゃんと子宮に『くっついて』くれますように!」という願いは、胚移植を受けるご夫婦の切なる願いです。
これまで「受精卵を子宮に接着させる確率を高める」方法は何かないものかと試行錯誤が繰り返されてきました。
例えば、有効ではないと考えられているため、パシフィック生殖医療センターではもう使われていない技術ですが、過去には受精卵の「埋め込み法」などもその試行錯誤のひとつでした。
しかし今年、そんな切実な願いに応えるべくとても画期的な酵素、その名も「エンブリオ・グルー(受精卵接着剤)」が臨床現場で使用可能になりました。
こちらパシフィック生殖医療センターでも希望するご夫婦のサイクルに取り入れています。
エンブリオ・グルー(受精卵接着剤)とは、受精卵を子宮に着床させやすくすると考えられている接着酵素(ヒアルロナン)のことで、臨床上では胚移植後、受精卵が子宮に着床する確率を向上させる役割を果たします。
臨床上での成功率(Vitrolife社発表)によりますと、
―受精卵の着床率を34%上げる
―妊娠継続の確率を24%上げる
という成果をあげているとされています。
そのような成果を挙げている理由とは、ヒアルロナンは子宮における天然分泌により近く、粘着性のある酵素であることから、受精卵と子宮の細胞間の接触を向上させ、子宮内血管の血流を促進する効果があるからであるとのことです。また、FDA(米国食品医薬品局)に認可されていますので、子宮及び受精卵に悪影響がないとされています。
エンブリオ・グルーに関するデータは全て供給元からの情報です。パシフィック生殖医療センターにおいては、臨床応用に値するものとして、使用を行っておりますが、今後幅広い症例数の中での検討により、より正確なデータが得られると考えられていますので、今後も新しい展開がありましたら、ご案内いたします。
この画期的な開発が、多くのご夫婦の夢を叶えてくれることを願ってやみません。