妊娠力と『水』の不思議な関係
妊娠力を高めたい、そんな思いから、私達IFCの日々の業務の中で、患者様からこんなご質問をよくいただきます:
『是非とも妊娠したいのですが、何かよい食べ物とか、やっておいた方がよいこととかありませんか?』
そのお答えのひとつとして、いつも話題に上がるのが、『水』の重要性です。
忙しかったり、寝不足だったりすると、充分な水分補給ができていなくて、自分ではまったく気付いていなくても、軽い脱水症状になっていることがあるようです。
不妊治療につきものの採血のときに、血がなかなか出なかったり、途中で止まってしまったりで、何度も針を刺されて嫌な思いをしている方は、次は、採血の前に、水分補給をしてみてはいかがでしょう?
採卵のとき、麻酔(鎮静剤)をかけるときは、もちろん、医師から指示を受けた採卵直前の時間帯は、絶対に水を飲んではいけません。しかし、その時間帯以外のときは、できるだけ、水分補給をすることで、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を回避したり、採卵前後の不快な症状を緩和するのに、大変重要なことなのです。
そして、胚移植のときは、お手洗いをがまんした状態でいらしてください、と指示されます。お水をたくさん飲んでからお手洗いをがまんして胚移植に臨むのは、ちょっと辛いですよね。でも、そのがまんのおかげで、経腹超音波が、くっきり鮮明に見えるようになり、胚移植がより正確に行なえるのです。(膀胱にたまった水分に反射して影像がくっきり見えるようになるからです。)
それより重要なこととしては、患者様のお身体に水分が充分ゆきわたっていると、大切な受精卵が入ったカテーテルが、スムーズにお身体の中に入っていけるのです。子宮頚部に多少カーブがある(通り道が曲がっている)患者様も日本人の場合普通に多いのですが、そういうケースでも、いっぱいになった膀胱がうまくプッシュしてくれて、通り道がまっすぐになることも多くあるのです。
とにかく、お身体に水分が充分にゆきわたっていることで、目に見えることだけではなく、身体の内側から、コンディションを整えてくれるものなのです。
普段からできるだけ水分補給に気をつけていると、お身体の循環がよくなり、風邪などの治りを早めたりもしますし、健康な日々への基本、ということになります。
(ただ、液体ではありますが、妊活中・妊娠中に、カフェイン入りのコーヒーをたくさん飲むのは「X]です。妊活・妊娠中のカフェイン摂取は避けましょう。)
胚移植前に、急いでお身体に水分補給したいとき、お水に少しレモンを絞って入れたり、ないときは、ほんの少しのお塩をお水に入れるだけで、水分の吸収がよりよくなります。
水分補給、というのはとても当たり前のことのようですが、本当に重要なことなんですね。
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