コロナワクチン~不妊治療中に接種してよいのか?
2021年4月15日から、こちらサンフランシスコでは、16歳以上の一般人口が、コロナワクチン接種の対象者となりました。希望者が多く、なかなか予約が取れない、という状況は続いているものの、確実に接種を受けている人口が増えているのは事実です。
しかし、そのような中、妊娠を希望している方々にとって、どうしても残ってしまう疑問があります:
「不妊治療中の自分が受けてもだいじょうぶ?」
「胎児に悪影響が出たりしないものなの?」
残念なことに、ワクチンの治験期間が短く、ワクチンが実際に出回ってからの期間も大変短い中、現在、幅広い人口をサンプルとした研究結果が存在しない、というのが現状です。
そのような背景の中でも、米国生殖医療学会(ASRM)は、以下のような声明を出しています:
『米国生殖医療学会は、妊娠を計画している患者様に対して〔コロナ〕ワクチンを差し控えさせることは推奨しないし、「不妊治療中及び妊娠中の患者様は、適格基準に基づき、ワクチンを受けるよう推奨されるべきである」ということを強調する。』
上記のような声明となった背景について、弊社IFC提携クリニックから聞いた話ですと、 結局、コロナ感染した場合、母体の体調が悪くなり、高熱が出たり、呼吸困難になってしまう状況を引き起こすと、当然ながら母体にも胎児にも悪影響があるのは明白、という事実そのものが物語っている、ということです。
コロナであろうがインフルエンザであろうが、そういう状態に母体をさらすのは危険である、というのは紛れもない事実であり、それは何としても防止しなければいけない状況である、ということです。
現在、認可されているワクチンは、RNAベースなので、実際の菌を身体の中に入れるわけではない、という事実も推奨を手伝っているようです。
ただ、ワクチン接種の後、体調を崩したり熱を出したりする例もあるようですので、採卵サイクルや胚移植サイクルの日程は、ワクチン接種の日とのかねあいも考えて計画されるべきでしょう。
更には、ワクチンを受ける、不妊治療中の男性が注意しなくてはならない事項、というのには、以下があります。
これもまだ、多くの人口比の中での研究結果ではありませんが、すでに発表されている研究結果からの情報ですと、認可されているある一種のワクチン接種後、男性の16%が発熱した、とのことです。
ご承知の通り、精子の産生は、熱に弱い習性があります。ですから、ワクチン接種後、「一時的に」熱が出たときの精子数が低下するかもしれないことが考えられます。そのため、不妊治療を続ける中でワクチン接種をする男性は、人工授精や体外受精/顕微授精(ICSI)に使用するための精子の採取のタイミングに、気をつけることが肝要かと思われます。
今後、コロナワクチンと人間の生殖力やその後の子供への影響については、長い年月をかけて研究され、確認されなければならず、今現在、「絶対的」な明確なことは言えないものの、現時点では、生殖に関連する学会は、基本的にワクチンを奨励しているようです。
ワクチンやコロナウィルスに関する情報は、日々変遷しています。そのため、上記に記述することが、次の日には真実ではない、ということも起こり得ることですので、ワクチンを接種する際は、ご自身の不妊治療専門医、産婦人科医の方に、充分にご相談されてください。
コロナ禍が続く中、 NEW NORMAL に慣れることも大変ですが、きっと心穏やかに過ごせる日々がやってくると信じて、私達IFCスタッフも頑張って参りたいと思っております!
皆様、引き続き、どうぞご安全にお過ごしくださいませ。