代理出産プログラムとは
現在日本では、代理出産(代理母による出産)は認められていません。
しかし、アメリカ・カリフォルニア州では、1980年代後半から代理出産(代理母)プログラムは一般選択肢として実施されてきました。
代理出産プログラムへのお申込みは、現時点では、カリフォルニア州居住権を持つ米国市民・永住権保持者のご夫妻に限らせていただいております。
代理出産プログラムとは
「子宮がない私だけれど、どうしても赤ちゃんが欲しい」そんな痛切な願いに応えるのが「代理出産プログラム」です。子宮や子宮機能を失った女性たち、あるいは生まれつき子宮がない/発達しなかった女性達も自分の遺伝的子供の母となり、そしてその女性の夫は、父となる可能性が見い出せるのが、この先端生殖医療プログラムです。
IFC代理出産プログラムは、第三者の女性である「代理母」の子宮を「借りる」、いわゆる「代理懐胎」プログラムです。母となることを願う女性の卵子と、その女性の夫であり父となることを願う男性の精子を体外受精(IVF)し、得られた受精卵を、代理母さんの子宮に移植し、妊娠・出産を試みる先端生殖治療です。
代理母さんの協力のもと、ご夫妻は「遺伝的・生物学的に100%自分達夫婦の子供」を授かるための治療を受けることができます。
代理出産(代理母)プログラムの対象者
以下の項目に当てはまる方が対象となります:
- 子宮摘出あるいは部分切除手術
- 重度の子宮筋腫
- 重度の子宮腺筋症
- ホルモン補充をしても子宮内膜が厚くならない
- 子宮奇形(中隔子宮・重複子宮・単角子宮・双角子宮等が著しく、手術での改善が期待できない場合)
- 子宮欠損あるいは未発達(ロキタンスキー症候群など)
- 中隔子宮・重複子宮・単角子宮等手術で改善できない度合いの子宮奇形
- 何らかの理由による子宮内癒着
- 本人による妊娠継続や分娩が医学上危険であると診断された場合
代理出産「以外」のプログラムが適応となり得る症状
❶薄い子宮内膜
加齢などにより卵巣機能の低下(卵子の老化、つまりは卵子の生殖力の低下)が進むと、内膜をタイミングよく厚くするためのホルモンが自然に出なくなります。それが原因で子宮内膜が厚くならない場合は、ホルモン補充によりほとんどの患者様が妊娠可能な子宮環境をつくることができます。従ってその場合は、代理出産ではなく、卵子提供プログラムの適応となる可能性が極めて高くなります。
❷習慣性流産/不育症
不育症検査の数値が標準値内あるいは近いのに、初期流産を繰り返している場合、原因は子宮ではなく、受精卵の染色体異常にある可能性が高くなります。受精卵(胎児)の染色体異常が原因で流産を繰り返している場合、代理出産ではなく、着床前全染色体診断(CCS)プログラムの適応となる可能性が極めて高くなります。
あるいは、加齢などにより卵巣機能低下が著しい場合、卵子の生殖力が衰えているか、受精卵のほぼ全部に染色体異常が起こっているかが原因で初期流産を繰り返している可能性が高くなります。その場合は「卵子提供プログラム」が適応となります。特に40歳以上の場合、その可能性が高くなります。
代理出産プログラムの成功率と年齢制限
代理母となる女性は、少なくとも一人の健康な赤ちゃんを問題なく出産した経験があり、子宮の状態が良好であると診断された女性です。しかし、子宮の状態がいくら良くても、実際の妊娠成功率の決め手となるのは、「卵子の質と生殖力」なのです。
つまり成功率は、いかに生殖力の高い質の良い卵子を得て、染色体異常がなく且つ発達状態の良い受精卵を代理母に移植できるかどうかにかかっています。
卵子の質の決め手となる一番大きな要因は女性の年齢です。加齢と共に卵子の質が衰え妊娠率を低くすることが世界中の研究で報告されています。
一般的には、成功率が最良レベルなのは採卵時の女性の年齢が満32歳頃までであり、40歳以上になると大変厳しい状態となります。
現在、代理出産プログラムでは、着床前全染色体診断(CCS)の実施を行なうことが一般的となっており、32歳以下の女性の卵子由来の受精卵にCCSを実施し、正常染色体の受精卵(胚盤胞)を1個移植した場合の1回につきの成功率はおよそ75%と、驚異的に高くなっています。
代理出産プログラムにおける最終採卵の年齢制限は採卵する女性(母となることを願う女性)の満40歳のお誕生日であるため、余裕をもって進むため、IFCプログラムへのお申込は、その女性の満39歳のお誕生日とさせていただきます。
成功率を考慮すると、母となることを希望されている女性の年齢が低ければ低いほど、それだけ成功率が高いうちに治療に挑戦できる、ということになります。IFC代理出産プログラムでは、初回検診時に、担当医がそれぞれのご夫妻の成功率を検討の上お伝えします。